UAD Pure Plate Reverbの使い方完全ガイド



こんにちは!今回は、Universal Audio社の名高いリバーブプラグイン「Pure Plate Reverb」の使い方について詳しく解説していきます。このプラグインは、クラシックなプレートリバーブの温かみのあるサウンドを完璧に再現することで知られています。


Pure Plate Reverbとは?

Pure Plate Reverbは、1950年代に登場した物理的なプレートリバーブの特徴的な音色をデジタルで再現したプラグインです。実機のEMT 140プレートリバーブをモデリングベースとしており、その豊かで滑らかなリバーブサウンドは、特にボーカルやドラム、ピアノなどの処理に最適です。


主要パラメーターの解説

1. Pre Delay

- 設定範囲:0-250ms

- 原音から最初のリバーブ音が鳴るまでの時間を設定

- ボーカルでは通常20-30ms程度から調整を始めるのがおすすめ


2. Decay Time

- 設定範囲:0.1-5.0秒

- リバーブの残響時間を設定

- バラードなら2秒以上、アップテンポな曲なら1秒前後が基本的な目安


3. Low Cut

- 設定範囲:20Hz-1kHz

- リバーブ音の低域をカットする

- ベースやキックドラムのモコモコした低域を整理するのに効果的


4. High Cut

- 設定範囲:1kHz-20kHz

- リバーブ音の高域をカットする

- 耳障りな高域を抑えて自然な響きを作る


おすすめの使用シーン


ボーカル処理

- Pre Delay: 20-30ms

- Decay Time: 1.5-2.0秒

- Low Cut: 100Hz

- High Cut: 8-10kHz

この設定を出発点に、曲調に合わせて微調整していくのがおすすめです。


ドラム全体の空間付け

- Pre Delay: 10-15ms

- Decay Time: 0.8-1.2秒

- Low Cut: 200Hz

- High Cut: 6kHz

キックやスネアの輪郭を残しながら、自然な空間感を演出できます。


ピアノの艶出し

- Pre Delay: 15-25ms

- Decay Time: 1.2-1.8秒

- Low Cut: 80Hz

- High Cut: 12kHz

ピアノの豊かな倍音を活かしながら、優雅な響きを付加できます。


プロフェッショナルのための応用テクニック


1. パラレル処理

- リバーブ100%のウェットな信号を別トラックで作り、原音とブレンド

- より繊細なリバーブ量の調整が可能に


2. プリEQ処理

- リバーブに入る前の信号をEQで整える

- 特定の周波数帯域のみにリバーブをかけることで、より洗練された音作りが可能


3. マルチバンド・コンプレッション後段処理

- リバーブ音をマルチバンド・コンプレッサーで周波数帯域ごとにコントロール

- よりタイトでモダンなサウンドを実現


まとめ

UAD Pure Plate Reverbは、シンプルな操作性と温かみのあるサウンドが特徴的なプラグインです。基本的なパラメーター設定を押さえた上で、楽曲のジャンルや求める音響効果に応じて柔軟に活用していくことで、プロフェッショナルなミックスを実現できます。


プリセットに頼るだけでなく、この記事で紹介した設定例を参考に、自分なりのサウンドを探っていってください。実際の音楽制作の中で試行錯誤を重ねることで、このプラグインの真価を発見できるはずです。




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